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崖の上の「のくち」

その店は、崖の上にある。
などとやや大げさなことを書いてみたが、
道路沿いに面した斜面の階段をちょっと上ったところにあるというだけで、
先の表現において多くの人がイメージするような、
切り立った崖がそこに存在するというわけではない。

崖の上のなんとかかんとかいう映画が公開されたので、
うっかりこのブログにたどり着く人々がいても面白いかなと。
その、うっかりの人々の中で、溝の口周辺に住んでいる方がいらしたら、
ぜひこの先も読んでいただきたく。
そうでない方も、まあできれば。

その崖の上にある店、名前を「らーめん のくち」という。
「溝の口」の「のくち」である。
溝の口駅南口を出てすぐの、広い道沿いにある。
店前の幟と、その立地はかなり目立つ。
階段を上がってドアを開けると、店内は三角形の変則形状。
入って右側の厨房に沿ってと、その向かいの窓際にカウンター席がいくつか。
奥は小上がりの座敷になっていて、6人ほど座れる掘りごたつ。
休日の昼時にそこそこ人は入っているが、大人気というほどでもなく。
知る人ぞ知る店、という感じなのだろうか。

店内はやや雑然とした印象を受ける。
雑然さの理由は、店内のそこかしこに貼られた薀蓄というか能書きというか。
麺に使用の小麦粉は宮城県産の「雪力」。
石臼挽き全粒粉にし、モンゴルの天然かん水を使用、なのだそうだ。
豚はもち豚、鶏は比内地鶏。
その他、この店で使用する食材は、無化調・無添加であることを強調している。
それは分かったが、壁にも柱にもびっしりというのはいかがなものか。
まあ、その雑然さが、まるでちょっと散らかった居間にいるような
妙な味わいを醸し出していて、落ち着くといえば落ち着くのですが。

家族で来ていたので、注文は2杯。
ひとつは醤油らーめん600円。
こちらは子供に取り分けるので、+100円で大盛りにした。
もうひとつは魚だし醤油らーめん900円。
600円は今どき安いと思う一方、
いきなり300円UPする魚だしというのも驚きだ。何が出てくるのか。

まずは魚だし。これは煮干がぐわんと攻めてきます。
ぐわんと言っても昨今流行の濃厚魚介だしの類とは一線を画す。
強いんだけども、どぎつくはない。
その後ろで肉汁の風味がじわりと効いてくる。
こちらもあくまでじわり。
このじわり加減が、個人的にはとても好み。

普通の醤油らーめんのほうは、魚介は控えめ。
といっても魚だしを先に味わってしまったので、比較論としての控えめ。
強く主張するものはないけど、バランスのよいスープで
見た目濁っているので一瞬濃厚なのかと思ってしまうのだが、
意外とあっさりで、ぐいぐいと飲めてしまう。

太めのストレート麺ももちもちとした食感がよい。
これはなかなかのクオリティではないか。
子供の反応もすこぶる良好。
これだけの味を出す店なら、もう少し騒がれてもよさそうなものだが。
先に書いた雑然さも、時として格好の宣伝材料ともなるわけで。

思うに、やはり問題は「崖の上」にあるのではないかと。
なんとなく、「崖の上」まで上って入っていくのに勇気がいるのだ。
あまり一見さんが気軽に入れる感じの店ではない。
私とて、ネットで事前情報がない状態で出会っていたなら、
果たして入っていたかどうか。
しかし、勇気を出して入ってみれば、
そこには極上のらーめんが待っているのだから、
ここは私としても声を大にして叫ばねばなるまい。
この夏、崖の上の、といえば「のくち」だ。
ポニョも見ますが、それはそれとして。

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